いつも売る側の話しかしていないので
買う側、つまり消費者としても大事な視点だと思うことをお話します。
ただし、これもひいては
経営者や起業家にこそ求められる視点だと思っています。
往々にして歴史上、偉大とされる人物をもとにした映画などは
その人物が成し遂げた偉業を褒めちぎるだけでなく、
人格もすばらしく、
見かけもすばらしいように作り上げられていたりします。
でも実際よくよく調べてみると、
確かにその偉業だけ見ればスゴいものの、
過去には失敗をたくさんしており、
人格にもれっきとした問題があり、
見た目も別によくないということも多々あります。
これはその人を好きになってもらわないと
作品の魅力があがらないため、
すべて良く見せようというわけです。
いわゆるイメージ戦略というものです。
これはマーケティングとしてはごく一般的な戦略ですが、
これを素直に受け取っていると痛い目を見ます。
映画ならまだしも
実際に商品やサービスを購入しようと言う場合、
何かひとつのいい点だけに着目させられて、
全体を見ることのできない消費者は損をします。
本来あるべきマーケティングは
100点のものをきっちり100点として見せることのなのですが、
やり方次第では50点のものを
100点のように見せることができてしまうのが
マーケティングの恐ろしいところです。
消費者としても
家や車など高価なものを買うときなどは
誰かが行った感想をただ受け入れるのではなく、
多面的にその商品やサービスを調べる習慣を身につけるべきです。
そしてこれが経営者・起業家であればなおのこと
そうした思考が強く求められます。
それは重大な判断を伴う局面が一般消費者より遙かに
多く、その影響も大きいからです。
人を雇ったり、
会社や事業に投資するという局面で、
表面のいいところばかりを見ていると痛い目に会います。
雇って欲しいと思っている人や
会社や事業に投資して欲しい側は意図的にではないにせよ、
自分や投資して欲しい会社や事業を良く見せようという
誘因が働くからです。
イメージが一人歩きしていないか?
本当にそんなにうまい話ばかりなのだろうか??
過度に猜疑心を持つ必要はありませんが
批判的に物事をジャッジする習慣は大切です。
メリットを説明できる人はたくさんいますが、
きちんとデメリットを説明した上で
それを超えるメリットを説明できる人を選ぶべきです。
すべていいということはあり得ないのです。