リスティング広告は多額の資金を持っていない、
個人事業主や中小企業のオーナーであっても全国という広いエリアに、
需要を持つ顧客だけにピンポイントで広告を打つことを可能にしました。
そうなれば、次に考えるのは全世界を商圏にすることです。
これは自然な流れともいえます。
単純計算で言えば、全世界をマーケットにできれば、
数十倍の可能性を持つことになるからです。
大企業も国内のみならず、
世界中に商圏を広げていることからも、
国内から世界に目を向けることは何らおかしなことではありません。
もちろん世界にもリスティング広告を出稿することは可能です。
ただし注意点があります。
前提として、海外向けのリスティング広告も、
国内のリスティング広告と同様、
キーワード選びが非常に重要です。
ただ海外の場合、日本とは違い、
一度の検索に単語を3ワード以上使用する傾向が多く見られます。
(日本の場合ひとつのワードないし、二つのワードが一般的です。
しかもそのワード数は年々増加傾向にあるといわれています。
検索がロングテール化しているということは、
キーワードの組み合わせが多岐にわたるということ。
しかも同じ日本語脳による日本語の検索ではなく、
英語脳による英語での検索。
日本人が自分の売りたい商品やサービスと検索ワードを結びつけるのは
簡単なことではありません。
つまり可能性はあるものの安易に手を出せるものではないということです。
特に日本のリスティング広告でうまくいっていないという理由から、
広告を出すエリアを広げればどうにかなるかも、という意図で
グローバルリスティング広告に手を出すのは考え物です。
一般的に国内のリスティングで成功していないのは、
キーワード選定などが消費者心理をとらえていないからです。
これは言語圏を変えたり、単純に広告出稿エリアを広げれば、
解決する問題ではありません。
むしろ成功している人は、「絞る」人です。
ターゲットとするエリアを、エリア別の成果を分析して絞る。
キーワードも成果を精査して絞る。
ムダなエリア、無駄なキーワードを発見して、
ムダなクリックをどんどん減らしていくのです。
こうした作業をしていなかったり、
まだまだ不十分な状態で、海外にエリアを広げれば、
ムダなクリックを増やしてしまうだけになってしまいます。
広げることは可能性だけでなくムダも増やすということです。
海外に出るにはムダを削る技術を身に着けることがまずは重要なのです。