「モノを売りたかったら人に感謝しなさい」
大分昔にこんなことを言われたことがあります。
人に感謝することは礼儀として大切なことであることは
百も承知。
でもそれと商売でモノを売ることと何の関係があるのかわかりませんでした。
「まさか感謝して媚びを売ってリピーターをつくれと言うことなのかな?」
なんて浅はかな感想を持ったものです。
それからしばらくして、
様々な経験をし、
ようやくその言葉の本当の意味がわかるようになりました。
人が他人からお金をもらう方法はふたつしかありません。
それは人のプラスを叶えるかマイナスを解決するかのどちらかです。
プラスは人の夢や期待、
マイナスは悩みや恐怖、不安といったものです。
そしてそのプラスとマイナスが大きければ大きいほど、
頂戴できる金額は大きくなるのが普通です。
かすり傷を治す絆創膏は数百円かもしれませんが、
死を克服する大手術には大金も惜しまないはずです。
さて、感謝するということは人がしてくれたことに気がつくということです。
人の好意をキチンと捉えることは、
人の感情の動きをキャッチできていることの証拠です。
モノを売るために広告を打ちますが、
売ることが先行しては売れないのです。
「どうすれば人のプラスを叶えたり、
マイナスを解決できるのか?」
そうした視点でものを捉える必要があります。
そしてそれは普段から意識していないと、
いざ広告を出すときだけ、
考えてみても「言葉」にすることができません。
この商品は本質的に何を解決するのか?
このサービスを使って人はどんなことを叶えたいのか?
「モノを売りたかったら人に感謝しなさい」
という冒頭で紹介した言葉は
人の心の機微に気がつく人間が対価を受けるべき人間だということを
伝えたかったのだと思います。
自分の出した広告に自信がないと言う方がたくさんおられますが、
同じ日本人であればそれほど言語能力の差があるわけではありません。
文章の構成力も当然ありますが、
一番大切なのは、
その広告が伝えたいメッセージです。
お金を稼ぐことが先行した広告はプロが見れば一目見ただけで解ります。
このプロとは我々のような専門業者という意味ではありません。
消費のプロである一般消費者は毎日何百と言う広告に晒されています。
潜在意識のレベルでそうした中身のない広告をはじいているのです。
あなたの広告はどんな感情に触れるように創られていますか?
広告はあなたが持っているメッセージをそのまま映し出しています。